その他の水虫の治療
水虫の治療薬は前項で内服、外用の2種だと述べましたが、内服薬を使うのは角質増殖型の時です。これは足の裏全体が厚くなって白い溝になり、ひび割れを生じる疾患です。この水虫は白癬菌が住みついている場所まで塗り薬では到達しない場合が多いからで、そこで飲み薬によって体内から白癬菌を治療するのです。
また、白癬菌が爪に入り込んだ「爪水虫」などにも用いることが多くなります。実際、水虫患者の約半数は、何と爪水虫も合併しているというデータもあるのです。水虫菌が爪で繁殖するのが爪水虫です。爪が白く濁ったり、厚く変形しているなら、爪水虫を疑う必要があります。
爪白癬の治療では一般的に「抗真菌薬」と呼ばれる薬剤が使用されます。ただし、塗り薬(外用薬)では有効成分が浸透しにくく、治療が思うように進みません。そこで、新たな飲み薬が開発されています。既に、皮膚科での爪白癬治療は内服薬治療へと移行しており、それで完治率も高くなったとされています。
最近の主な抗真菌薬はイトラコナゾールやテルビナフィンというもので、白癬菌を死滅させる作用をします。
こうした飲み薬が中心ですが、他にも新しい治療法となる「パルス療法」もあります。このパルス療法とは、まず、一定期間集中して薬を飲み続け、その後で数週間服用を止めるというサイクルを3サイクル程度繰り返す治療法です。それは抗真菌薬(イトリゾール)が、爪の奥深くに潜んでいる真菌にまで届くので可能となる方法です。その結果、毎日、定期的に薬を飲み続けなくても大丈夫で、水虫患者の負担を軽減する治療法と期待されています。